閑話休題 YAWARA!テレシコワ



本日は漫画はお休みです。
今回も、日本の漫画アニメに登場するロシアキャラクターを紹介します。

日本を代表する漫画家・浦沢直樹の代表作にして出世作。

86年から93年までにビッグコミックスピリッツにて連載。今まで誰も扱わなかった女子柔道を題材に、
主人公・猪熊柔が、「普通」の女の子になりたいという願いと、自身の柔道の才能との間で葛藤しつつも、徐々にその力を発揮・自覚し、日本国内を始め世界のスポーツの祭典バルセロナオリンピックまで雄飛してゆく姿を描く柔道恋愛漫画作品。後にテレビアニメ化も果たし、漫画もアニメも人気を博した

『YAWARA』

日本のロシアキャラクターは、ハリウッドと違って、かなり優遇されています。強くてクールで美しく役回りもオイシイということで、読者からの人気も高かったりします。『YAWARA』にも、クールビューティーな人気ロシアキャラクターが存在します。

柔の宿敵こと

アンナ・テレシコワさんです。

ソ連の女子柔道選手。貧農出身で、6歳で才能を見出されて社会主義国の英才教育を受けるようになる。角刈りのヘアスタイル。勝つためなら非情な手段も厭わない、冷徹な性格。得意技は裏投げ。ウィキペディア参照

 

テレシコワは登場初期は、勝つためなら反則も平然と行う冷徹なロボットのような立ち位置でした。

無理もありません。国際スポーツの競技はオリンピックも含め、国と国との代理戦争のようなものです。スポーツで英雄になると、(特に社会主義国では)、兵役は免除され、一生困らない生活も国が保障し、スポーツ枠の政治家として引退後の仕事まで設けてもらえるのですから、皆、それこそ死に物狂いで、国家を背負いながら試合に挑むのです。

だったのですが・・・

『YAWARA』が連載されていた時代は86年から93年。つまり連載初期はまだ、ソ連も健在だったし、ドイツは東西に分かれベルリンの壁も壊れておらず、ユーゴスラビアも分裂していない時代でした。が、

連載途中の91年、なんと、ソ連は崩壊してしまいます。

以前、『閑話休題はじめの一歩 ヴォルグ』の記事でも書きましたが、

ロシアの人々の大半は、職を失い路頭に迷い、政治家や警察の汚職や横領が横行し、国家がマトモに機能せず、明日どうなるかさえわからない混迷の時代に突入したのです。

バルセロナ五輪を目指していたテレシコワは、柔道などやってる場合ではなくなってしまったのです。当然です。柔道をこれまでどおり、やったところで、国は何の保証もしてくれませんし、参加チームもコーチも続々、辞めていきました。だって家族を養わなければいけませんからね。

行き場のない苛立ちをかかえ、急遽来日し、柔に非公式試合を申し込むテレシコワ。しかし、半年も柔道の稽古ができなかったテレシコワは実力を出し切れず不消化試合となり散々な結果に。

しかし、ジゴロウじいいちゃんと柔の叱咤激励によって、再びテレシコワの闘志が再燃。

そして極貧の中、這い上がったテレシコワは、2年後のバルセロナに出場。念願の柔との試合に挑むのでした。

結果は、残念ながら柔の一本背負いで、テレシコワの敗北となったのですが、

テレシコワに後悔はありませんでした。柔と出会う前までのテレシコワは、何の感情ももたず、勝つことだけが目的の冷徹な柔道マシーンだったのに、柔と出会ったことで、柔道が本当に楽しい、生活の保障なんかどうでも良い、強い相手と心行くまで勝負したい、という柔道の基本精神が芽生えたのですから。

『YAWARA』完結から24年。

もしもテレシコワが現実にいる人間だったとして、(最終回時の年齢が柔と同年齢だったと仮定)

現在、50前。

当然、現役は過ぎているでしょうが、おそらくコーチなり、なんなり、柔道と何かしら関わる仕事をしているのではないでしょうか?

いえ、きっとそうでしょう。

なぜなら現在のロシアは、柔道を心から愛する、あの方が大統領なのですから。

 


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