帝政ロシアンボンバ(学問のスズメ)

 

 

ロンドンではバッキンガム通りの、ピョートルのために用意された豪華な邸宅を、彼は例によって気に入らぬと言って、別のずっと質素な部屋に、召使三人と一緒に居座ってしまう。ウィリアム三世がツァーリを訪問して、この狭苦しい部屋に訪れたときは、国王はその悪臭に息が詰まって、外が大変に寒いことは承知しているが、窓はお開け願いまいか、と恐る恐る頼まれたといわれる。

またイギリスの議会政治に好奇心をそそられたピョートルは、上院の会議にこっそりと見物する。天窓から覗く彼の眼に、玉座に座る国王、これに相対して席に着いた王国の代表者たちの姿が見える。討論の模様を通訳してもらいながら、彼はお供のものに、「臣下が心に思う通りを聞けるとは、うらやましいことだ。このことではイギリス人に学ぶべきだろう。」という。権力を行使するときにはいかなる反論も許さず、誰とも権力を分かち合おうとしなかった彼が、本気でそう信じたのだろうか?

 

 

アンリ・トロワイヤ著「大帝ピョートル」より引用

 

 




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