帝政ロシアンボンバ(欲望に満ちた青年団)

前回からの続きです。

 

ピョートルは一行と別れて、メンシコフ、四人の貴族、通訳一人とともに旅を続ける。1697年8月7日の夕方、アムステルダム到着。しかし彼は商工業の栄えるこの街に足を止めようとはせず、さっそく船を借りると、ザーンダムに向けて出発する。ロシアにいたとき、知り合いのオランダ人の職人たちから噂で聞いた小さな港町であった。造船所、風車、鯨油製造所、時計工場、船舶機械製造所などが立ち並ぶこの小都市は活気に満ち溢れ市民の生活も豊かで、ピョートルは一目でほれ込んでしまう。海にそそぐ運河のほとりで、彼は偶然、昔ヴォロネジで会った鍛冶屋のヴェリット・キストという男がのんびり釣りをしているのにぶつかった。

ツァーリは男を大声で呼び、抱き合い、自分の身を明かしてはならぬと言いつけて、そのまま男の家に居座ってしまう。この小さな木の家で、彼にあてがわれたのは二つの部屋、料理用のかまど、巨大な箪笥とマットレス一枚である。召使はいない。寝床の用意も料理も自分一人でやるつもりなのだ

彼はその土地の船頭の服まで買いこんだ。「ピーター親方」「船大工ピーター」が斧と鉋(かんな)を携えて意気揚々と造船場へと向かうのである。

アンリ・トロワイヤ著「大帝ピョートル」より引用

 

 




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